歯磨き

大体私と娘は7時ごろ妻に起こしてもらいます。娘は集団登校で学校に行くため近所の子供達と一緒に家から近くのマツモトキヨシに集まります。

遅くとも家を7時35分にでます、起きてから出発までたったの35分です。

私も同じ時間位に家をでるので朝はいつもバタバタしています。

ある朝娘がいつものように朝食を終え歯磨きをしているといきなり叫びました。

「お母さん長いよ!」

私は居間で歯磨きをしていたため何事かと思い、娘が歯磨きをしている洗面所まで足を運びました。

洗面所では妻と娘が一緒に歯磨きをしていました。

妻に目を向けると口から歯磨きの汁が垂れ50センチ位の長さになっており洗面所のシンクにくっついていました。

人を最も不快にする歯磨きの汁の長さです。

妻はついに口元も緩くなってしまったのでしょうか?

私は逃げるように居間に戻りました。

数分居間で歯磨きを続けていると娘は準備を終えたらしく家から出ていき妻と2人きりになってしまいました。

私は歯磨きを終えるべく洗面所に向かうと妻は鏡を見ながら髪をといています。

歯磨き事件がなかったようなすました顔をしていたためイラついた私は妻に言い放ちました。

「さっき不快なものを見てしまったわ。」

妻はその言葉に反応せず髪をといています。

聞こえなかったのかと思いながら歯ブラシを置き洗面所を後にしようとした瞬間私の首に妻の手のひらが叩きつけられました。

強烈な喉輪です、首がしまり息ができません。

「うわー」

私は叫び声をあげ妻の手を外しその場にしゃがみ込みました。

過呼吸になりそうな状態で妻を下から見上げました、素人が出せる技ではありません。

妻は私を見下ろし言い放ちました。

「あんたのせいよ」

何が私のせい?ちょっと何言っているかわかりません。

歯磨きの汁も私のせいにする妻の心意気に乾杯。

評価

いきなりですがはっきり言わせて頂きます、私は男前です。

ジャニーズと同じ位とはさすがに私も言えませんがいい顔をしていると思います。

朝起きて出勤前に顔を洗い鏡を見ているとついつい「カッコいい」と呟いてしまいます。

毎朝私がそう呟くたびに隣の部屋から「気持ち悪い」と幻聴が聞こえますがもう慣れてしまいました。

そんな私ですがふと他者からの評価が気になり、ある晩娘に私の評価を聞いてみる事にしました。

「パパはカッコいいと思う?」

「うーん、10段階で言うと4かな。」

思ったよりかなり評価が低く私は満足できません。

「いーや、3よ。」

隣の部屋から幻聴が聞こえますが気にしないでおきます。

「お母さんの顔の評価が4やったらわかるけど、パパはもっと上やろ。」

「私から見たら同類よ。」

娘の評価は変わりません、流石に腹が立ってきました。

「じゃああんたは何点なん。」

「私は10点よ!」

娘は何故かわかりませんが自分の評価は100点満点でつけたようです。

自分の見た目の評価が低い娘と話していても埒があきません。

寝室で横になり服の後ろがめくれて背中を丸出しにしながら携帯を触っている妻に確認しにいきました。

「俺の顔は何点?」

「あんたは3点よ!」

妻は3点満点で私を評価してくれたようです。

10点満点中2点の妻に初めて感謝した夜でした。

ハーゲンダッツ

私は仕事で現在育成を担当しています。今回会社に派遣会社から新人の女性が3名入りました。

新人が入るのは2年ぶりでワクワクしました。

3名とも20代後半の若い女性です。

新しく会社に入った若い女性と30代から40代位の先輩(既婚)との間に恋が芽生えるのはよくある話です。

既に覚悟はできていますが更なる決意と覚悟が必要です。

そういう場合はどうしたらいいのでしょうか?

娘に相談するしかありませんね。

娘ももう10歳です、私の決意と覚悟を分かってくれるはずです。

さっそく娘と一緒にお風呂に入っている時に相談を持ち掛けました。

娘は湯船につかりながら必死に鼻をほじっています。

「ちょっと相談なんやけど。」

「何?」

「俺、彼女作ってもいいかな?」

「ダメー!!」

強く否定されましたがまだ引くわけにはいけません。

「何で?」

「私が嫌なの、彼女作らんって約束して。もし約束破ったらハーゲンダッツ3個買ってもらうからな。」

全く問題ありません。

「わかった、3個買う。」

「ちがーう、そうじゃないんよ。じゃあ1000個買ってもらうからな。」

1個300円位として1000個で30万円です、何とかいけそうです。

私は力強く娘に伝えました。

「わかった、1000個買う!」

「ちがうんよ、もうじゃあ店ごと買ってもらうからな。」

ハーゲンダッツの店を購入するにはいくらかかるんでしょうか?

大変だと思いますがそれでも彼女をつくりたい気持ちは揺るぎません。

よくよく考えるとハーゲンダッツの店舗経営者ってとてもモテそうです。

ハーゲンダッツジャパン株式会社に交渉に行き熱意を伝え岡山に出店する。

そして私がそれを経営する。1分程で考えがまとまりました。

「わかった、俺は経営者になる。」

「ちがーう!」

風呂場で娘の絶叫が響きわたった夜でした。

怒髪天

先日の土曜日に有給休暇がかなり余っていたため午後半日有給を取得しました。

13時に仕事が終わり家に帰ると妻も娘も出かけていて留守でした。

娘は友達と遊びに、妻は川に洗濯にでも行ったのでしょう。

大きな桃を持って帰ってこない事を願うばかりです。

妻と娘がいない事に深く安堵し私は一人の時間を楽しむべくスマホゲームで遊んでいました。

私は一人の時間を十分満喫していました。17時を少し過ぎた頃、外からワッハッハと下品な笑い声が聞こえてきました。

どうやら娘が友達と一緒に帰ってきたようです。

私はまだ仕事着のワイシャツの格好のままでした。娘が帰ってくるのであれば着替えておこうと思って立ち上がりました。

すると部屋の明かりに気づいたのか外から娘の声が聞こえました。

「あれっ?あいつ早いな。」

その声が聞こえた瞬間私は部屋の中で叫びました。

「誰があいつなんや!」

父親に向かってあいつと言わせるような子供に育てた覚えはありません。

ワイシャツを引きちぎるように脱ぎ捨て急いで着替えました。

怒りのあまり手が震えて着替えにも少し時間がかかりました。

玄関に行き靴を履こうとしましたが手が震えて靴ひもも中々結べません。

私は今まで娘に手をあげた事はありませんでしたが今日初めて娘に手をあげてしまうかもしれません。

靴ひもがほどけたまま私は怒りにまかせ扉を勢いよく開けました。

「あいつ早いよ、捕まえて。」

「やったー、7匹目。」

外では娘が友達と一緒にトンボを追いかけていました。

心温まる風景に耐えられなくなりバレない様にそっと室内に戻ろうとしたところ娘が私に気づき近づいて声をかけてきました。

「あれ、パパ帰ってたの?今日トンボいっぱい捕まえたよ。」

キラキラした目で私を見つめてきます。

「す、すごいね。よ、よかったね。」

適当に声をかけた後に娘をおいたまま急いで室内に戻り鍵をかけ念のためアーム式の内鍵もかけました。

恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になっていたのがバレていない事を願うばかりです。

歴史は繰り返す

私が好きな名言の1つに「歴史は繰り返す。」という言葉があります。

ローマの歴史家クルチュウス・ルーフスの言葉です。

過去に起こったことは、同じようにして、その後の時代にも繰り返し起こる。という意味です。

自分に置き換えてみても何度も同じ失敗を繰り返し、その都度反省してもまた同じ事を繰り返してしまいます。

人間の本質を突いた深い言葉です。

最近その言葉を思い知らされる事件が起きました。

我が家では9月も半ばを過ぎましたが夏の暑い日がまだまだ続いているためまだ扇風機を使用しています。

私が仕事を休んで家でのんびりしていると玄関からガンガン、ガンガンとドアノブを何度も何度も引っ張る音が聞こえました。

鍵がかかっている事に気づいたのでしょうか次はチャイムを鳴らす音が何度も何度も繰り返されます。

恐怖を感じながら私は鍵を開けてそっとドアを開くとそこには汗だくで髪が額に張り付き不満そうな顔をした娘が立っていました。

娘には私が不在の場合に備えて家の鍵を渡していますがまだ使い方がわかっていないようです。

娘は家に入り靴下を脱ぎ床に叩きつけるように投げ捨てランドセルを居間に放り投げました、まるで品がありません。

妻に似ています。

「パパ、アイス食べていい?」

私の返事を待たずに娘は冷蔵庫からアイスを取り出しかぶりつきました。

何故食べていいか質問したのか不思議に思っていると娘は扇風機のスイッチを入れ扇風機の羽から3センチ位離れた所まで顔を近づけました。

その後の娘の言葉に私は驚愕しました。

「ワレワレハウチュウジンダ(我々は宇宙人だ。)」

歴史は繰り返されます。

ちなみに別の日ですが娘と一緒にカフェに行った時に

「パパ、このお店シャレオツやな。」

と言っていました。

回転

普段私は妻と娘と同じ部屋で寝ています。

座敷の部屋に布団を3つ敷き、扉近くが私の布団、真ん中が娘、窓際が妻です。

その日は私の仕事が夜勤だった為、帰って夕食を食べ、お風呂に入った後寝室に入りました。

娘は布団に潜り込み漫画を見ており妻は布団に入り窓側を向き携帯を触っていました。

ふと妻の背中を見てみると服がめくれ上がって背中が半分見えていました。

とても大きく質量があるこの背中は何かに似ています。

「アザラシかな?」

私がたまらず呟いた所、妻の背中がピクッと反応しましたが何も言わず携帯を触っています。

私は安心し扉側を向いて携帯を触っていました。

2分程携帯を触っていると娘の悲痛な叫び声が聞こえました。

「わー、助けてー。」

後ろを振り向くとアザラシが・・いいえ妻が横になったまま両手両足をピンと伸ばし真ん中にいる娘を押しつぶしながら私の方に向かって転がってきました。

このままですと私は車に轢かれたカエルのように押しつぶされて平たくなってしまいます。

私は必死に両手を伸ばし妻を押さえました。

私の手は妻の二の腕をつかみました、成人女性の二回り程の太さがありとても質量がありました。

妻を片手で押さえたまま私は自分の二の腕を触り妻との差を確認しました。

「いらん事言うな、いらん事すな!」

妻が叫びましたが私は自分の二の腕を触っただけです。

「いや、何も言うてないけど。」

「行動が物語っとんよ!」

我が家のアザラシは心理学にも長けているようです。

結局その日は妻を自分の布団に戻すのに30分かかりました。

(説得の時間含む)

捨て猫

3年ほど前の話です。私は夜勤の仕事が終わり自転車で家路に向かいました。

我が家のすぐ近くの川に差し掛かった時に猫の鳴き声が聞こえてきました。

「にゃー、にゃー。」

その声は普段よく聞く野良猫の鳴き声より高くか細い声でした。

私は自転車を止め電灯もない川沿いを見まわしました。

暗闇の中を目を凝らして見てみるとそこには生まれて数カ月程の小さい真白な猫がこっちを見ていました。

普段猫に全く興味がない私ですが澄んだ瞳の猫があまりにも可愛すぎて体が硬直しました。

私を猫を見つめながら考えました。

「このまま猫を放置しておけば多分死んでしまうだろう、但し我が家はアパートだから飼う事ができない。」

このまま見なかった事にするのが最良の選択ですが私はそれを拒否して猫を捕まえ自宅に連れ帰りました。

家に連れて帰るともちろん家族は大騒ぎです。

妻からは当然怒られました。

「何で連れて帰ってきたん、どうするん?」

娘は当然大喜びです。

「可愛い、飼いたい。パパお願い。」

私も飼いたいのはやまやまですが我が家のアパートではどうしても無理です。

その日は段ボールに入れて餌を与え様子をみました。

翌日妻にも頼み会社の人に飼ってくれる人がいないか当たってみる事にしました。

私の会社では猫を飼ってくれるという人がいませんでしたが家に帰って妻に聞いてみると妻の実家で飼ってくれると許可をもらえたそうです。

私は妻と知り合ってから約20年になりますが初めて感謝の念を持ちました。

持っただけで当然伝えてはいません、伝えるつもりはありませんが何か?

次の日に妻の父が我が家にきて猫を連れて行きました。

一緒にいたのはたった2日程でしたが猫に興味がなかった私があっという間に猫好きになってしまいました。

またあの猫に会いたくてたまりません。

娘は既に「みーちゃん」と名前をつけ妻の実家に帰るのを楽しみにしていました。

妻の実家は我が家から車で30分程の距離で近いため、妻は月に1回程度実家に帰っています。

私もみーちゃんと会いたい気持ちは強くありましたが妻と休みが合わず妻の実家に行く事が中々できませんでした。

会いたい気持ちは募るばかりです、初恋の気持ちと一緒です。

それから半年くらいたった頃でしょうか、妻がいきなり私に写真を見せてきました。

「何この写真?」

「みーちゃんよ、可愛いやろ。」

そこにはすっかり目つきと体型が変わった猫が写っていました。

やはりペットは飼い主に似るんですね。

「今度の日曜日休みが合うから実家にみーちゃんを見に行かない?前から会いたいって言ってたやん、可愛いよ。」

妻の言葉を聞き私の心の声が口に出ました。

「目つきが悪いデブが。」

「誰の事言いよんな!」

妻は自分の事を言われたと思ったのでしょうか、激怒しました。

まあ間違ってはいませんが。

やはり飼い主は実家のペットに似るんですね。

宿題

今年はコロナの影響で学校がしばらく休みになっていたため娘の小学校の夏休みが8月1日からになりました。

夏休みの期間は普段より短くなりましたが宿題は普段と変わらず膨大にあります。

私の子供の頃は夏休みの宿題は全くせず最後の2日間で全部終わらせていました、懐かしい思い出です。

私が仕事から帰ると居間で娘が夏休みの宿題をしていました。宿題を見ていた妻と娘がうんうんと唸っています。

問題を見てみると「夏休みの思い出を5・7・5・7・7を意識して書いてみよう。」と書いてありました。

これは小学4年生にしてみると難易度が高いと思われます。

「パパ、何か考えてや。」

可愛い娘からお願いされたのと吟遊詩人を目指していた血が騒いだため考える事にしました。

「夏休みやからスイカとかいいんじゃない?」

食前のお菓子を食べながら妻が横から口を出してきました、詩における才能が皆無の妻にしては良い提案です。

私は言葉の選択を何度も変え10分程考え込みました。

「思いついた。」

「どんなの?」

「これで行こう『夏休みスイカをかじり種飛ばし 3日たちてもまだ残りけり』どうかな?」

最高の一首ができました。

「よく考えて、小学4年生よ。4年生の中でも更にこの子よ。けりなんか使うか!」

妻から否定の言葉がとんできました。

「分かったじゃあ種飛ばしから下は変更するわ。」

更に10分程の時間を費やし私は考えました。

「できた『夏休みスイカをかじり種飛ばし 甘き香りに蟻が群がる』どうかな?」

「あほか、前の漢字テストでこの子25点やったんよ!」

妻の言葉は正しいかもしれませんが横にいる娘を傷つけていないでしょうか、娘に目線を向けると鼻くそをほじっていました。何ら問題ないようです、妻との話を続けます。

「じゃあどんなん作ればいい?」

「蟻がきて可愛いなとかでいいんよ。」

「何なんそれは、アホの44歳の女性が作ったとしか思えん。」

「うるさい!」

結局いつもの妻と私のケンカになってしまいました。

「パパ、蟻がきて可愛いなにする。」

娘は妻の案を選んだようです。娘が書き出した文字を見ていると夏休みが夏体みになっていました。

蟻がきて可愛いながしっくりきますね、妻の見立てもたまには当たるようです。

名言集

小学4年生になる娘が最近、ますます私に似てきました。娘と最近会った出来事をまとめました。

事例①

車の運転中に赤信号につかまりました。青になるまで少し時間があったため隣に座っている娘の顔を見つめていました。娘はこちらを一切見ず前方を見つめ私に言いました。

「パパ、ちゃんと前を見てよ。人生と一緒よ。」

事例②

娘を学童保育に迎えに行き近くのスーパーに寄っていこうとしたところ障害物や段差等、何もない道で娘がつまずいてこけました。

「私こけたのはこれで今日5回目よ。」

「何でそんなにこけるん?」

1日5回もこけるのは少し異常です、私は心配になって質問しましたが娘は強くはっきりと答えました。

「私は前だけ見て歩いているんよ。」

いつもの調子で名言風に言ってきました。

「でも時には足元見ないと危ないよ。」

私が注意した所、娘は私の目をみつめ力強い口調で言いました。

「こけたらまた立ち上がればいいんよ!」

事例③

私がお風呂に入っていると娘が後から入ってきました。当然湯船に入る前に前と後ろをお湯で流します。お湯で流す前に娘のお尻を見てみると白いものが目に入りました。

よくよく見るとティッシュが挟まっていました。

「うわ、汚い。」

私は叫びました。

娘は私の言葉を意に介さずお尻を洗い「手ごたえあり。」と呟き湯船に入ってきました。

「ちゃんと洗った?」

「大丈夫。」

娘はお尻にティッシュが挟まっていたことを大して気にしていない様子です。

「これからは気を付けてね、俺はあんたの今後の人生が心配よ。」

私の言葉を聞き娘は湯船から立ち上がり右手を右斜め上に高く掲げ左手をピンと真横に伸ばし叫びました。

「心配ないさーーーー。」

お尻にティッシュを挟んだライオンキングの今後が心配です。

以上、最近の娘の名言集でした。

クルーズ

今年はコロナの影響で夏なのにほとんど出かけていません。

先日妻から岡山の牛窓という地域でほんの1時間程ですが遊覧船で瀬戸内のクルーズができるので家族で行かないかと誘われました。

牛窓は我が家から車で40分程度の所にあり、日本のエーゲ海と自称している地域です。

多分どこにも許可は取らずに名乗っていると思われます。

妻も一緒に行くという事に少し躊躇いを覚えましたがせめて夏に1つは思い出を作りたいと思い渋々行く事にしました。

クルーズが16時からあり、どうやら先着順でしか乗れないらしく2時間前に出発しました。

家を出るまえは晴れていましたが車に乗り込むと、いきなり空に雲がかかり雨が降り出しました。

牛窓に向けて車を走らせました、雨ですが少しでも雰囲気を明るくしたいと思い私は歌を口ずさむ事にしました。

「パプリーカ・・・」

「パパ癖が凄いよ。」

娘が好きなNHK2020応援ソング「パプリカ」をワンフレーズ歌っただけで娘からダメ出しが飛んできました。

私は歌が下手ですが納得できません。

「待て待て、ちょっと本気で歌うわ。パプリーカ・・」

「いやいや、酷いよ。」

娘の酷評が続きます、私ばかり非難されるのは納得ができません。

「俺が下手なのはわかった、じゃああんたが歌ってみてや。」

「わかった、じゃあ歌うよ。パフリーカ花がさいーたらー・・・・」

音程が全く合っていません、ドがつく下手さです。

「あんたも下手やな。」

「学校で歌のテストがあったんやけど私だけ合格できんかったんよ。最後の最後に先生が『今回だけ特別だからね。』って合格させてもらったんよ。」

そんな程度の女に歌を判断され腑に落ちない状態でいる私に妻が声を掛けてきました。

「2人とも歌わんで。気分が悪くなってきた。」

妻は私と娘の歌を貶してきましたが、妻の歌をあまり聴いた事はありません。

「わかった、もう歌わんけど最後にあんたも歌ってみてや。」

「えー嫌よ。」

「いいから一回だけでいいから。」

妻はかなり嫌がっていましたが渋々歌いだしました。

「パフリーカ花がさいーたらー・・・・」

「やめろーーーー!」

あまりの下手さに我を忘れ怒鳴ってしまいました。

私が音痴で音痴が妻で娘が歌に嫌われているようです。

家族3人で傷つけあった1日でした、いい夏の思い出ができました。

ちなみにクルーズは雨で中止になりました。