挨拶週間

娘の小学校では今、挨拶週間を実施しているそうです。

5年生、6年生が普段より早く学校に来て校門の前に並び学校に入る子供達の一人ひとりに挨拶をするそうです。

その時に元気よく挨拶を返してきた子に5年生、6年生が電車の切符サイズの小さいカードを渡します。

カードをどれだけたくさん貰えたかを競うために一番カードが多かったクラスが校長先生から表彰されるそうです。

妻に「おはよう」と挨拶をしても無視される私からすると素晴らしい行事だと思います。

その話を聞き娘も挨拶がしっかりできる子になってほしいと思っていた私はとても嬉しくなりました。

挨拶の持つ意味はとても大きく挨拶すると人間関係が良くなり、笑顔になれ、自分の気持ちもよくなり更に相手の承認欲求も満たせます。

「何枚カード貰えた?」

元気で可愛い私の娘ですから持ちきれなくなる位にカードをもらった事でしょう。

「1枚も貰ってないよ。」

娘はあっさり答えました。

さすがの私も娘が1枚もカードも貰ってない意味が全く意味がわかりません。

「え、何で?」

娘は胸をはって言いました。

「私はど真ん中を挨拶せずに歩くんよ。それが最高に気持ちいいんよ。」

私はその言葉に絶句して言葉がでませんでした。

「皆は挨拶してカードを貰えるように端っこを歩くんよ、真ん中を歩くのは私だけ。」

娘はとても気分良さげに話をしていました。

こうなってしまったのは誰のせいでしょうか?

もう誰かのせいにするのはやめておこうと思います、娘自身のせいです。

ワールドワイド

数日前、私は仕事が早く終わったので家に帰り娘と一緒にお風呂に入りました。

私は妻に日頃から罵倒されている精神的な疲れと体の疲れを癒すべく静かにお湯に浸かっていました。

娘は普段お風呂に入っている時もうるさく喋りかけてきますが、その日は普段より口数も少なく静かでした。

5分程お湯に浸かった頃に娘に話しかけられました。

「ねえ、パパ。いい事教えてあげようか?」

絶対良くない事だと思われます。

「いいえ、結構です。」

私は必至で断りましたが娘は気にせず話しかけてきます、何故聞いてきたのでしょうか?

「友達から聞いたんやけど学校で私の事好きな男の子が2人おるんよ。」

珍しく本当に良い話をしてきました。

私の娘の顔は十人並みですが好かれている人が2人もいるようです、さすが普段からモテモテの私の娘です。

「凄いやん、じゃあ付き合ってみたら?」

恋愛は早いに越した事はありません、早めに耐性を付けるためにも娘に付き合ってみる事を勧めました。

その言葉を聞いた娘は真剣な面持ちで言いました。

「パパ、世界にはたくさんの男がおるんよ。学校内の小さな世界に収まったら駄目よ。」

娘の小学校は全員で1200人いるマンモス校です、さすが私の娘です。

その言葉に私はとても感動しました、これは我が家の可愛くないピカチュウにも伝えないといけません。

お風呂から上がって私はすぐ妻に報告しました。

「さっき娘から聞いたんやけど、娘の事が好きな男の子が2人おるらしいんよ。付き合ったらどうって言ったら『世界中にたくさん男はおるんよ。』って言われたんよ。」

妻は大爆笑です。

そこから私は妻に自分の反省も伝えました。

「俺はその言葉を聞いて反省した。今までは職場から自転車で10分位の距離に彼女を作りたいと思っていたけど改めるわ。一駅先位までは足を伸ばして彼女作るわ。」

その言葉を聞いて妻は突然怒り出しました。

「誰に言っとんじゃ!!」

私はすぐ答えました。

「戸籍上は妻かな。」

何故か無言で妻に首を絞められました、間違ってないはずです。

あの怒りようからすると、もしかしたら知らぬ間に離婚していたのでしょうか?

明日市役所に行って調べてこようと思います。

面白い話

先日家族でドライブしていた時の出来事です。

私の隣に乗っていた娘がいきなりクスクス笑いだしました。

何か思い出し笑いでもしたのかと思い私は聞いてみました。

「どうしたん、何かあったん?」

「バックミラーで後ろを見たらお母さんが凄い顔でボーっとしてた。」

流石の妻も娘のその言葉を聞いて怒りました。

「うるさいなー、あんたも不細工な顔してる時多いよ。」

娘はまだ見慣れていないと思いますが妻がボーっとしている時の8割は確かに凄い顔をしています。

結婚して10年たちやっと妻のボーっとしている時の顔に私も慣れてきました。

私はわかるよと娘に目で合図をして運転を続けました。

それから10分程たち娘はドライブに飽きてきたらしく私に話しかけました。

「パパ、何か面白い話をしてや。」

とんでもない無茶ぶりです。

「ないわ。」

「暇やもん、面白い話をしてや。」

「ないって。」

「面白い話やったら何でもいいから。」

「だからないって。」

何度も何度も私は娘の無茶ぶりを断りました。

「笑いの天才なのに面白い話を持ってないの?」

どうやら通常のお願いでは無理と感じたらしく、今度は私の心を揺さぶってきました。

笑いの天才を心の中で自称していた私としては、そう言われると引く事はできません。

「いいだろう。」

私の50以上ある持ちネタのとっておきの話を娘にぶつけました。

最初から少しずつ小笑いのポイントを入れ話を進めました。

娘の体が私の話で前のめりになってきました。

そして最後のオチの部分で私はテンション高く話しきり、娘の顔を見ました。

「ふっ。」

娘は私の話を鼻で笑い前方を見つめ無言になりました。

どうやら人は本当に大笑いした時は鼻で笑い無言になってしまうようです。

会社の友人と話す時も同じ現象が多々あるため、やはり私は笑いの天才だと認識ができた一日でした。