品性

私は常に品性を意識して生きています。人間を人間たらしめるもの、それは品性に他なりません。意識しておかないといくらでも下品になります。

何も考えないで生きていると易きに流れるのは人間の性です。

私は考え方だけではなく普段の生活態度、発言、歩いたり座ったりする姿勢にいたるまで常に品性を意識しています。

そんな私の品性とは違って妻は食べたらすぐ寝転びます。

私がそれを指摘すると妻は若干お怒りになる為、私は見ないふりをしています。

今ではせめて娘だけにでも人間として品性が大切である事が伝わればいいと思っています。

妻は普段の生活が波に乗れていないせいか食事をした後、寝転びながらネットサーフィンをするのが日課です。

食事をした後は少しゆっくりしてお風呂に入ります、私の仕事が早く終わって家にいる日は私がお風呂のお湯を入れに行きます。

一番風呂はその日の気分で妻が先に入るか私と娘が先に入るかが決まります。

その日も私がお風呂にお湯を入れた後どちらが先に入るか特に決めていませんでしたが読みたい本があったため妻に先にお風呂に入ってもらうようお願いしました。

寝転びながらネットサーフィンをしている妻は娘に言いました。

「お母さんを起こしてや。」

妻は自力で起き上がるのも大変なようです。体重が度を越えていますので自明の理です、そうなる前に気づかなかったのでしょうか?

妻は携帯を側に置き寝転んだまま仰向けの姿勢になり両手を上空に差し出しました。

娘はその言葉を聞き寝転んでいる妻の手をとり両足を広げ妻の体をまたぎました。

娘は妻の手を取ったまま引き上げずに妻の体のお腹の部分まで前に進みました。

明らかに前に進みすぎではないかと私が思っていた所で娘が言いました。

「お母さん、そのまま起きたら私の股間にズドンよ。」

そう言いながら妻の両手を全力で引っ張り上げます。

「いやー、やめてー。」

妻は叫びましたが娘は構わず妻の両手を引っ張り上げます。

「ワッハッハ、ワッハッハ。」

股間にズドンの妻を見ながら娘の品性が全く感じられない下品な笑い声が部屋中に響き渡りました。

人間を人間たらしめるもの、それは股間にズドン・・・、いやいや品性です。

もう手遅れかもしれませんが頑張って娘に伝えていきたいと思います。

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