笑いのレベル

妻は私の話を聞く事は苦手ですが自分が話をする事が大好きです。

仕事から帰ってきて妻の機嫌が良い日はよく話しかけてきます。

8割は妻の会社の人間の悪口です。

普段は妖精と話をしているのかと思うくらい声が小さく聞き取りにくい妻ですが人の悪口をいう時の声量と話の速度は3倍に跳ね上がります。

その日も妻が話しかけてきました。

「上司が朝礼でつまらん事を言うてくるんよ。コロナが流行している時期なのに『ゴールデンウイークは休みが多いからイタリア行こうかな。』とか『俺はイタリア旅行予約した。』とか。皆ぽかーんとした顔してたんよ。」

確かにオチもないつまらない話です。

「今行ったら日本にかえってこれなくなる、2週間隔離よ。本当につまらん話をして。」

妻は憤っています、妻の気持ちを和らげるために私は言いました。

「あなたは何もなくても隔離やけどな、イタリアに行ったら猛獣が来たって騒ぎになるから。」

「殺すぞ。」

私は軽快なトークを繰り出しましたが妻が更に憤ってきました。

少し話を変えないといけません。

「しかし一般人は笑いのレベルが低いな。まあ俺は笑いの天才やけど。レベルでいくと特Aかな。」

「いやいや、特Aはさんまさんとか笑いのプロの人よ。」

確かにプロを入れると当然順位は変わってきます。「まあ、それはそうやけど。じゃあイタリア野郎の笑いのレベルは?」

「うーんNくらいかな。」

当然ながら一般人の更につまらない話をする人ですからレベルはかなり下です。

それに照らし合わせると私のレベルはBかCあたりでしょうか。

「そんなもんやろうな。じゃあ俺のレベルは。」

「M」

即答です。

確かアルファベットの順番はNの前がMで覚えていましたがもしかして間違って覚えていたのでしょうか。

鎌倉幕府を開いたのが1192年と覚えていたのが1185年に変わったようにアルファベットの順番もA、B、M、C、D・・・と変わった?俺があいつであいつが俺?いやいや、そんなはずはありません。

「あれMってNのひとつ前よな。」

「うん。」

「絶対おかしい、俺がMなわけないやん。」

私の叫び声を聞いて妻は力強くいいました。

「いいや正確、あんたはMよ。」

Wの妻に評価されたショックな一日でした。

PS Wは笑いのレベルのWとWideのW、両方の意味を含みます。

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