宿題

コロナの影響で娘の小学校は4月20日から5月20日まで休校になっていました。

ほぼ夏休みと同じくらいの期間です。妻も私も幸せな事にコロナで仕事がなくなる事がなかったため娘はほぼ学童保育で過ごしました。

休校中も当然学校から宿題が出されていたため学童保育でも宿題をする時間を設けてくれています。

妻から聞くところによると娘は宿題タイムの班長になったらしく宿題の時間に下級生に指示を出しているそうです。

学童には1年生から6年生までいますが4年生の娘がしっかりした役割を与えられ尚且つこなしている話を聞くと、さすが私の娘だなと嬉しくなりました。

そんな毎日を過ごしている娘の学校が5月21日にやっと再開できることが決まり、ひと安心していた5月19日の夜の出来事です。

娘と一緒にいつものようにお風呂に入った後、私は寝室の布団に寝転がり漫画を読んでいました。

最近かなり暑くなってきたので娘は寝巻のランニングに着替え私の横に座りました。

普段は寝る前は漫画を見たり、Switchでどうぶつの森をしたりしますが何もせず私をじっと見つめてきました。

「どうしたん、何かあったん?」

不思議に思い確認すると娘は一瞬ニヤリと笑い言いました。

「ぼ、ぼ、僕はしゅ、しゅ、宿題が半分しか終わってないんだな。」

衝撃、仰天、驚愕です。

「どうするん?」

「あ、あ、明日は、て、て、徹夜なんだな。パ、パ、パパに手伝ってもらうんだな。」

もう山下清をさせている場合ではありません。

「ちょっと待て、宿題する時間はいっぱいあったやろ?宿題タイムは何してたん?」

「ゴロゴロしたり、友達と話したり、先生の目を盗んで友達と一緒にトイレに行って話したり・・。」

宿題タイムの班長の活躍ぶりを聞いた私は次の日に仕事から帰った後宿題を手伝う事にしました。

徹夜の予定であった娘は20時後から宿題を開始し22時30分には机の上に突っ伏して眠ってしまいました。(宿題中に漫画を見始めたり、私に話しかけてきたり等の無駄な時間を省けば実質1時間)

何度揺り動かしても起きない娘を布団にそっと運びました。

宿題タイムの班長は明日起きる出来事を何も考えず豪快に大の字に寝ていました。

そんな娘を見ていると、さすが私の娘だなと思いちょっぴり寂しくもあり嬉しくもなった一日でした。

空と雲

私は外出するとまず初めに空を眺めます。今日の空の色、雲の形を確認します。

この癖がついたのは5年ほど前に娘と散歩した時に言われた一言に端を発しています。

当時の娘は5歳です、娘は歩きながら空を見て言いました。

「今日の空はいつもより青いね、雲の形は綿あめみたい。」

何気ない言葉ですが私の胸に響きました、響いた点は2点ありました。

1点目はいつからそうなったかわかりませんが、歩くときに空を見なくなっていた事です。

出勤する時や休みの日に外出する際も私は空を見ていませんでした、目には入っているのですが見ていませんでした。子供の時はたくさん空を見て思いを馳せていたはずです、これからはもっと空を見て自分の心を綺麗にしていこうと心に誓いました。

2点目は雲を見て他の物を想像しなくなっていた事です。

今は雲を見ると雲だとしか思いません、子供の頃は雲を見てたくさん色々な物を想像していたはずです。

大人になるにつれ柔軟な発想や物の見方ができなくなります、今の自分は家族や会社の仲間に対して画一的な見方になっていないだろうか?そうなっていたら人に対して失礼ではないだろうか?

私は散歩中に自問自答し続け、帰ってから妻に報告しました。

「娘がさっき雲の形は綿あめみたいって言ったんよ。その時俺は反省した。会社の仲間や部下をこういう人間だって決めつけて見ていた。これからは皆をもっと大きく受け止めていきたい。」

私が必死で悩んだ出した結論を聞いて妻が言いました。

「ちょっと何言ってるかわからんし、気持ち悪い。」

まあ妻の返事はこんなもんでしょう、こういった出来事があり5年前から空をよく見るようになりました。

最近も娘と散歩中に空を見上げると雲が一つもなく青く青く澄み渡っていました。

「今日の空はとても綺麗だね。」

娘はその言葉を聞き眉をひそめて言いました。

「引くわー、今カッコつけたやろ。」

これからはお金が落ちていないか地面を見ながら歩いていこうと思います。

一日の流れ

私が日勤の日は家を8時前に出ます、娘が学校の日は娘が7時30分頃に出るため私より先に家を出ます。

現在コロナの影響で学校が休みになっているため娘はいつも私を見送ってくれます。

私は家を出る前に娘を抱きしめ「行ってきます。」と告げます。

その後娘は私にこう言います。

「行ってこい、そして強くなって帰ってこい。」

娘は私が毎日武者修行の旅に行っているとでも思っているんでしょうか?

娘の言葉はさて置いて私は仕事に向かいます。

仕事が早く終わる日は18時30分には家に着きます。

家に帰ると妻は居間に体育座りでコーヒーを飲んでいます、お帰りの言葉もなくネットサーフィンをしています。

「家に帰ったら『お帰り』位ないん?昔はもっと愛情を持って接してくれたやろ。」

私の言葉を聞き瞬時に妻は言葉を返します。

「そっくりそのまま返すわ。」

最近の妻のお気に入りのフレーズです。

夫を敬わない妻を教育しようと思い私は最近本で見た名言を伝えました。

「いいか、お前が悪いと指さした手のうちの3本の指は自分を向いて・・・」

「そっくり、そのまま返すわ!」

このように毎日必ず一悶着おきます。

その後、家族で食事をし娘と風呂に入り娘と一緒に寝室に入ります。

娘からその日起きた出来事を聞きながら一緒に寝ます。

「今日ね、お母さんと買い物に行った時につまずいてこけたんよ。」

オチも何もない話ですが娘の話なので耳を傾けます。

「1日5回もこけたんよ。」

「何でそんなにこけるん?」

「私は前だけ見て歩いてるんよ、こけたらまた立ち上がればいいんよ。」

娘の名言風な意味ない話を聞きながら私は眠りにつきます。

最近の一日の流れは大体こんな感じです。

幸せな毎日です・・・と思いこむのに必死な毎日です。