さとり

私が休みの日は妻が仕事終わった後に職場に迎えに行き、夕食の買い物に妻の職場の近くのスーパーのハローズに寄ります。

ハローズは食品だけでなく焼き立てのパン屋も併設しており、パンもとても美味しく時々パンも購入します。

その日は妻が食品を購入している間とても暇だったため店の隅っこにあるガチャガチャのコーナーを見ていました。

ガチャガチャの機械も20個位置いてあり面白いものがたくさんあります。

以前はシャクレルプラネットという、しゃくれている動物のガチャガチャにはまっていましたが、その日私の目に留まったのは合掌している動物のガチャガチャ「合掌 Gassho 3拝」です。

合掌している北極熊が可愛く、どうしても欲しくなりました。

値段も200円とお手頃だったため一回くらいであればいいかと思いガチャガチャを回ししてみると、何と合掌している北極熊が一発で当たりました。

私はとても嬉しくなり買い物を終えて商品を袋に詰めている妻に報告に行きました。

「ねーねー、ガチャガチャで一番欲しかった合掌している北極熊が当たったんよ。」

妻は北極熊にチラッと目を移しました。

「可愛いやん。」

妻にも褒めてもらい私は嬉しくなり北極熊をずっと見つめていました。

北極熊の細部も気になり裏返して北極熊の背中を見た所、デジャブが起こりました。

初めて見たガチャガチャにも関わらず何度もこの背中を見た事があります。

私は何度も何度も北極熊の前面と背面を確認しました、何度も見ていると合掌している北極熊の手が仕事が終わって家に帰り居間でコーヒーを持っている手にしか見えなくなりました。

私は商品を袋に詰めている妻の顔を盗み見し、こっそり妻の後ろ側に回り背中を確認しました。

北極熊は妻で、妻は北極熊です。

そう心の中で確信した時に妻は叫びました。

「私は北極熊じゃないんよ!」

どうやろ妻は北極熊ではなく人の心が読める妖怪、さとりになったようです。

普段は常に世界平和と戦争で両親を亡くした子供たちの事を考えている私の美しい心が読まれてしまわないように、もっとふざけて生きていこうと思います。

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