ゴールデンウイーク

私は365日稼働ののコールセンターで働いているため休みの日は土日があまりなく平日になる事が多いです。

今年はゴールデンウイークの期間が長かったため妻と休日が合い旅行に出かける事にしました。

岡山から車で子どもが行きたがっていた広島のポケモンセンターに向かう事にしました。

朝の9時ごろに出発しましたが当然ゴールデンウイークの為、高速道路を使いましたが道路がとても混みあっていました。

中々車が進まなかったためバックミラーで妻の顔を確認した所、いつも以上に不機嫌な顔をしています。

お腹が空いているのか、車の混雑のどちらかに苛立ちを感じていると考えられます。 ここは私のエンジェルトークで盛り上げないといけません。

「すごい渋滞やな、妖精の仕業かな?」

それを聞いて妻は間髪入れず答えました。

「人間の仕業よ!」

上手い返しに私は図らずも笑いそうになってしまいました。 妻はすっかりツッコミが板についてきました。ここはエンジェルトークを畳みかけていかないといけません。

「今日の空はブルースカイ、俺の気持ちもブルースカイ。コダマでしょうか、いいえ違いますけど何か?」

それを聞いて妻は少し間を置き少しトーンを落として言いました。

「あんた死ぬまでそうやって生きていくん?訳分からん事ばっかり言って。」

妻に呆れられたゴールデンウイーク中の一コマでした。

川柳

娘も今年の4月で小学3年生になりました。仕事が早く終わって帰ると娘と一緒にお風呂に入りながら娘と一緒に色々な話をします。

最近娘は体型を気にするようになりました。 お風呂に入りながら娘はよく自分の太めの足をさわります。

「足細くなりたいわー。」

それを見て魔女の宅急便で魔女のキキが魔法の使い方を聞かれた時に答えたセリフを思い出しました。

画家の少女ウルスラ:「魔法って呪文を唱えるんじゃないんだ」

キキ:「うん、血で飛ぶんだって」

娘も血で太ったに違いありません、ええ違いありません。 そんな娘は自分自身の見た目をどのように評価しているか気になり、何気に聞いてみました。

「クラスで何番目に自分の事可愛いと思ってる?」

娘はすっと人差し指を立て自信満々に言いました。

「一番美しい。」

今後の事を考えてこれはきちんと訂正しておかないといけません。

「うーん、クラスで10番位じゃないかな。」

娘は怒りましたがあまりひいき目の判断をしてしまうと今後の教育に差し障ります。

「じゃあパパは自分の事を会社の中で何番目にカッコいいと思ってるんよ。」

会社の男性陣は20人位です。どう考えても私が一番カッコいいです。

「パパが一番カッコいいかな。」

それを聞いて娘が言いました。

「パパの見た目は普通よ、普通より50センチ上かな。」

評価は全く高くありませんが身内の差し引きを計算に入れると妥当な所です。 ふと妻の評価も気になったため聞いてみました。

「お母さんはどう思う?」

「お母さんの若いころの写真を見た事あるんよ。お母さん若いころは今より痩せてるんやけど昔より今の方がいいな。」

娘は妻の感想を言い終わった後、最後に一言小さい声ですがはっきりとこういいました。

「あの顔に 細い身体は 似合わない」

お母さんの見た目川柳があったら是非とも投稿したいと思った娘のいい川柳が聞けた一日でした。

備前焼

私の住んでいる岡山では備前焼が盛んです。

備前焼祭りと言って年に一度、備前焼を安く購入できるお祭りがあったり備前焼の陶芸教室がたくさんあったり地域に備前焼が根付いています。私も備前焼が好きで備前焼祭りは毎年必ず行っています。

そんな岡山にいる私ですがまだ陶芸教室に行った事はありません。

もう38歳にもなったので、そろそろ内面も磨いていかないといけません。

どうしたら内面を磨けるでしょうか。そうです、陶芸教室に行って備前焼のコップを作る事です。

思い立ったが吉日、私は会社の友人2人(男性43歳、女性38歳)を誘い一緒に陶芸を体験する事にしました。

家から車で30分ほどの所に「備州窯」という窯元があり、友人の車でそこに向かいまいした。

値段も3000円程で粘土500gを使って手回しロクロで自分のオリジナル作品を作る事ができます。

その日の体験教室の講師は30代前半位の比較的若い女性に担当してもらいました。

初めて備前焼を体験する人が大体1つの作品を作る時間は30分~1時間かかります。私は才能があったのか10分程で作ってしまいました。

他の2人はとても時間をかけて作っており、1時間近くかかりました。

私はその間暇だったため、色々できた作品に手を加え特殊なコップができてしまいました。

他の2人にできた作品を見てもらい感想を聞くと「変わっているね。」との評価でしたが、私はとても気に入りました。

形は独特ですが見るものを引き付ける力があり、私は実は陶芸家になるために生まれてきたのではないかと感じられる程の作品になりました。

乾燥と焼き上がりに3ヶ月程かかるらしく、できあがったら家に郵送してもらう事にしました。それから3ヶ月後できあがったコップが家に届きました。

そのコップを・・いや力作を見て私は今からでも陶芸家を目指すべきではないのか真剣に悩みました。

私の作品が飛ぶように売れ、時代の寵児となりもてはやされる姿が目に浮かび口元が緩んでしまいました。

その作品を台所に置いていた所、運悪く妻に見つかってしまい妻が言いました。

「何これ気持ち悪い。」

美的センスのない妻の言う言葉ですから私は気にせずその日は眠りにつきました。

次の日私が起きた所いきなり妻に話しかけられました。朝から妻が話しかけてくるなんて嫌な予感しかしません。

妻は顔をしかめて言いました。

「あのコップ台所じゃなく、他の場所に置いてくれんかな。あのコップ見てたら気持ち悪くて胸のザワザワが止まらんのよ。」

陶芸家を目指すかどうかはもう少しじっくり検討してみようかと思います。

お気に入りのシャツ

私は岡山県に住んでいます。岡山はどちらかと言えば田舎ですが5年前にとても大きなイオンモールができ、そこにはたくさんの人が集まります。

その日私は仕事帰りに何気なくそのイオンに寄り、よく服を買うお店でクレリックの仕事用のワイシャツを購入しました。

服はじっくり選びかなり検討してから購入するタイプの私ですが、そのシャツは濃い青色をしており私のとても好きな色で一目惚れしてしまいすぐ購入しました。

あまりにも素敵だってので購入してすぐイオンのトイレでその服に着替えました。トイレの鏡で何度か確認しやはり買って良かったとしみじみ思いましと。

私は喜び勇んで家に帰り妻に自慢しました。

「この服今日買ったんだけどどう?」

「何か制服みたいであまりいけてないよ。ていうかガンダムのアムロみたい。」

まあ妻からの評価はこんなものでしょう。いちいち妻からの評価を気にしていたら生きていけません。 念のため娘にも評価を求めました。

「どうかな、この服。パパは気に入ってるんやけど。」

娘は私を見て言いました。

「パパ、帰る時に女の子からじろじろ見られんかった?」

「うん、あの人格好いいって見られたよ。服のおかげかな。」

その言葉を聞いて娘は言いました。

「違う違う、あの人ずっとじろじろ見とんやけどって」

娘の回答はもはやシャツは関係なくなっていました。 側で聞いていた妻はそっと呟きました。

「親子の会話じゃないな。」

何が原因か分かりませんが、購入して1ヶ月になりますが私は未だにそのシャツを着て会社に行く事ができないでいます。トラウマってこういう風にできていくんですね。

娘の成長

私は日勤と夜勤の2交代制で仕事をしており、日勤の仕事で早く帰ると娘と一緒にお風呂に入り寝かしつけます。

ある日、娘を寝かしつけていると子供がいきなり抱きついてきて叫びました。

「イエス、高須クリニック!」

意味が全くわかりませんが、さすが私の娘です。爆笑をしてしまいました。

しかし私の爆笑で娘は味をしめてしまい、その後も「イエス、高須クリニック!」を連呼してきました。

このままでは危険です、ほうっておくと娘の笑いのレベルが落ちてしまいます。私は娘に言いました。

「あのな、繰り返していいのは2回までよ。よっぽど狙いがあるんだったら何回も言ってもいいけど。」

「そうかなー。」

娘はピンときていないようです。今後の娘の笑いの成長のためにも、ここはしっかりと教えておかないといけません。

「いい、繰り返すんやったら少しずつ変化をつけて言わないと飽きられるから。変化させすぎてもダメやけど。」

その説明を聞いて娘は叫びました。

「イエス、古女房クリニック!」

その声を聞いて隣の部屋から妻が来て怒りながら言いました。

「誰がそんな病院行くんよ、そもそも看護士が面接こんよ。」

さすが私の妻と娘です、娘の今後の成長が楽しみに思えた一夜でした。

九九

私は現在コールセンターで仕事をしています。仕事の時間帯が日勤と夜勤にわかれており、日勤の時は早く帰る事ができます。

 ある日、早く帰ると妻が娘に九九の練習をさせていました。

「じゃあ6の段言ってみて、その次は8の段ね。」

お風呂に九九の表を貼り娘に練習させているので大体間違えずに言えるようになってきました。 せっかく私も早く帰ったので娘の九九の練習に付き合いました。

「5×5」

「うーん25」

「OK、じゃあ6×6」

「36」

娘も中々のものです。娘に九九の練習をさせている時に妻が食事の用意をしていたのでテーブルにおかずを持ってきました。

娘に九九の練習をさせていたので妻にも何気なく問題を出してみました。

「なあなあ、7×8」

「うーん、48」

その答えを聞いて娘は言いました。

「パパ、お母さんは7の段が弱いんよ。」

妻はもう娘に抜かれてしまったようです。 早く帰った日は妻に九九を教えてあげようと思います。

ローランド

私はローランドのファンです。

知っている人も多いと思いますが、ローランドはホストで最近よくテレビに出ています。

ローランドは大学を入学早々に自主退学。

18歳でホストを始め、2018年のバースデーイベントでは1日6000万円以上の売り上げを記録しました。

最近ではホスト業だけではなく、メンズ脱毛サロンの経営、ヘアオイルのプロデュースなど多彩な事業を展開しています。

そんなローランドの記事がヤフーニュースに載っていた為、何の気なしに見てみました。その記事にはローランドがホストになるきっかけの出来事が書かれていました。

教師と両親の勧めで大学には進学したものの気分は晴れないまま。入学式に出席したとき、その違和感は決定的なものになった。

「入学式で周りを見渡したら、なんかさえない奴ばっかりで、このまま大学に入って、4年間あんまり興味のない講義を受けて卒業して、一般企業に就職して、定年まで働いて、小太りの妻がいて、休みの日はテレビを見ながら缶ビールでもすする、っていう絵が浮かんだんです。自分の将来ってこんなもんなのかって思って、すごく恐怖を覚えたんです。」

そこでローランドは周囲の大反対を押し切って大学を辞めて、ホストの世界に入ることにした。と書いてありました。

小太りの妻がいて、休みの日はテレビを見ながら缶ビールでもすする・・・。私の事です。

こうなったら私も会社員を辞めてホストになるしかありません、いえ絶対そうです。

その夜、仕事から帰ってきてお疲れ気味の小太りの妻に言いました。

「俺はホストになる。この思いは真剣なんよ、わかってくれ。」

それを聞いて妻は巻き舌で言いました。

「コラ、38歳。どこの女が38歳のおっさんに見向きするんよ。そんな事より早くご飯を炊いてくれんかな。」

その日私はお米をとぎながら思いました、大学中退してホストになっておけばよかったなと。

大学行ってないけど。

シェイクスピアのソネット

ある休みの日ふと思いました。38歳にもなって妻と娘がいるのに、まだモテたいって言っている。

今のままでも十分ですが、そろそろ内面も磨いていかないといけません。どうしたら内面を磨けるでしょうか。

そうです、美しい詩を暗唱する事です。

美しい詩を色々探しましたがどれもピンときません。

ネットで必死に探しているとシェイクスピアのソネット(14行から成るヨーロッパの定型詩。)が目に入りました。

シェイクスピアは154のソネットがあり、そのどれもが美しい詩です。

その中でも一番有名なのが18番の詩です。

18番の詩を読み終わった後、私は涙でパソコンの画面が見えませんでした。

なんと美しい愛の絶唱、詩人が愛する人へ向ける言葉には、これ以上はないであろう。 シェイクスピアの崇高な魂の美しさは、この詩の中で永遠に生き続けています。

あまりに感動したため、これは我が家の四次元ポケットを持っていないドラえもんにも聞かせてあげないといけません。

夕方になり駐車場から声が聞こえてきました。

「ランドセル置いてくなー。」

「お母さんが持ってきてや。」

「こっちも荷物いっぱい持っとんよ。コラ、逃げるな。」

「ひゃっひゃっひゃっ。」

この下品なやりとりは、間違いなく妻と娘のようです。

その声が聞こえてすぐ家の扉が開き妻と娘が入ってきました。 妻は荷物を置き、コーヒーを作り居間に座りテレビをつけます。 仕事に疲れて不機嫌そうな妻に私は意を決して話しかけました。

「ねー、ねー、ちょっと聞いてほしい詩があるんよ。」

「何?」

私はシェイクスピアの18番のソネットを暗唱しました。

「君を夏の日にたとえようか。いや、君の方がずっと美しく、おだやかだ。

荒々しい風は五月のいじらしい蕾をいじめるし、なによりも夏はあまりにあっけなく去っていく。

時に天なる瞳はあまりに暑く輝き、かと思うとその黄金の顔はしばしば曇る。

どんなに美しいものもいつかその美をはぎ取られるのが宿命、偶然によるか、自然の摂理によるかの違いはあっても。

でも、君の永遠の夏を色あせたりはさせない、もちろん君の美しさはいつまでも君のものだ。

まして死神に君がその影の中でさまよっているなんて自慢話をさせてたまるか。

永遠の詩の中で君は時そのものへと熟しているのだから。

ひとが息をし、目がものを見るかぎり、この詩は生き、君にいのちを与えつづける。」

私がこの素晴らしい詩を読み上げ感傷に浸っていると、妻は言いました。

「何それ、気持ち悪い。」

我が家のリアルドラえもんは、どうやらあまり詩がお好きではない模様でした。現場からは以上です。

娘のお迎え

私の娘は小学2年生になります。普段は学校が終わると学童保育に預けていますので学童に直接行くのですが、私が休みの日は学校近くのマツモトキヨシまで私が迎えに行きます。

その日もマツモトキヨシで娘を待っていると下品な大きな声が聞こえてきました。

「ケンケンパー、ちがーう」

50m位離れていましたが声が響いてきました、どうやら私の娘の声のようです。

男の子の友達2人と歩いて帰ってきています。元気の代名詞である小学生低学年の男の子を圧倒する大きく下品な声です。どうやら色濃く妻の血を受け継いでいるようです。

近くに来たところで私に気づき、友達に手を振って別れ私に近づいてきました。 マツモトキヨシから家までは歩いて5分程です。 帰る前にスーパーで晩御飯の食材を買っていこうと思い娘を誘いました。

「スーパー寄って帰ろうや。」

「何で?」

「晩御飯のおかずを買って帰りたいんよ。」

「えー面倒くさい。」

スーパーは家とは反対方向になるため娘は嫌がりました。

「いいやろ、一緒に行こうや。」

「スーパーには一人で行ってよ。」

「一緒に歩いてスーパー行ったら楽しいやんか。」

その言葉を聞いて娘は言いました。

「この人変態。」

意味がわかりませんので、とりあえず娘を無理やり引っ張ってスーパーに連れていき食材を買って帰りました。

家に帰った後、娘は3DSで遊び私は読書をしていました。娘が私の側で寝転んで3DSをしていました。ふと娘の足を見ると転んだのか太ももに小さな切り傷がありました。私は気になって足を触ると娘がいいました。

「この人変態・・・。まあ、元々こういう人やからいいか。」

1日2回も娘に変態と言われた1日でした。 小さいころ家に帰ると走って笑顔で出迎えに来てくれていた娘の記憶は幻だったのかな・・。

暴言

朝起きると、とても嫌な予感がしました。布団から出て居間に向かうと予感が当たりました。いつも通り妻が不機嫌な顔をしています。何に怒っているかわかりませんがとりあえず話しかけてみました。

「ねー、ねー。」

「何?」

不機嫌そうな答えが返ってきました。とりあえず機嫌をとらないといけません。

「好き好き大好き」

「気持ち悪いんじゃ、アホが。」

何を言っても普段通りの答えです。昔から暴言が多かった妻ですが最近激しくなってきました。 これは妻に確認しないといけません。

「最近ストレス解消できてる?何したらストレス解消できるの?」

「うーん、食べる事かな。」

予想通りの答えですが前から疑問に思っていた事をぶつけてみました。

「それはわかるけど、そんなに量を食べないよね。体型と食べる量があってないよ。どうやって、その体型を維持してるの?俺が見てない所で毎日お米5合位食べてるん?」

「う、うるさいアホが。」

少しうろたえました、このうろたえようだと私の見ていない所で多分3合は食べていそうです。それにまた暴言です、どうやらストレス解消は夫への暴言ではないかと思われます。

「最近暴言が酷くなってるよ。本当は夫への暴言でストレス解消しとるんじゃないんかな。」 思い切って妻に質問してみました。

「あんたが絡んできとんじゃろが。くすぶって炭になっとんのに、あんたが火打石で火をつけて薪をくべよるんじゃが。」

どうやら妻は全てを人のせいにする技術も身に付けてしまったようです。それに酷い岡山弁です。暴言も家庭内暴力になるので一度しかるべき所に相談しようかなと思った一日でした。